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スマイルズ『自助論』

この記事の最終更新日:2006年6月7日

自助論―人生の師・人生の友・人生の書
自助論―人生の師・人生の友・人生の書サミュエル スマイルズ Samuel Smiles 竹内 均

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自己啓発は、欧米ではSELFHELPと呼ばれています。これはスマイルズのこの古典的名著の表題ともなっています。『自助論』は明治時代、福沢諭吉が翻訳し、『西国立志篇』という題名で人々に親しまれてもいました。

『才能が天性のものだとすれば、その才能をみがき上げ、完成させるのは自己修養の力である。しかも万人に平等な機会が与えられている学校教育などより、この自己修養のほうがはるかに才能を高める役に立つのはいうまでもない』(p78)

スマイルズは芸術家は絶え間ない努力と芸術への集中、自己修養、克己心によって成り立つといいます。

『芸術家の中には名声によって富を得るものもいるが、富自体が彼らの主要な目的になることはめったにない。(…)またミケランジェロは、金のために絵を描いている画家についてどう思うか、と問われた時、こう答えている。「何としても金持ちになりたいという願いを捨てない限り、芸術家としては一生うだつが上がらないだろう」』(pp78-79)

スマイルズはまた、よい忠告よりも、よい手本を探しなさいといいます

『ちなみにこの作家(引用者註:エッジワース)のモットーは「よき友と交われ。さもなくば誰とも交わるな」であった。海軍将校コリンウッドは、若い友人に宛てて次のような手紙を送った。「つまらぬ友と付き合うくらいなら一人で生きよーーこれを処世訓として肝に銘じておきなさい。自分より優れた人間か、せめて同程度の人間を友にすべきです。人間の価値は常に友の価値によって決まるのですから」』(pp228-229)

このように、偉人や作家からの引用が多いのも、『自助論』の特徴です。

「金は人格をもって扱え」、「貯蓄は心の砦になる」という言葉にも、心震えます。



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