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詩的言語の革命 第一部 理論的前提 | |
ジュリア クリステヴァ 原田 邦夫 勁草書房 1991-10 Amazonで詳しく見るby G-Tools 関連商品 恐怖の権力―アブジェクシオン試論 アンチ・オイディプス |
クリステヴァの思想には、文学に対する確かな信頼、尊敬の念がこもっています。ここまで彼女が信頼する文学とはどういったものでしょうか。
『言語の皮膜の堆積あるいは構造の集蔵だけではなく、引きこもった身体の表現でもなくて、逆に無意識、主体、社会が絡まる関係の総体を、攻撃、専有、破壊そして構築、まとめて言えば肯定的暴力という態度で包括する「言説」が存在するとすれば、それがほかでもない「文学」というものだ。さらに独自性を強調して、テクストといおう。そしてこのように描き出される観念(この点は再度論じよう)は、われわれをすでに「言説」からも、また「芸術」からも引き離す』(クリステヴァ著・原田邦夫訳「詩的言語の革命 第一部理論的前提」勁草書房より)
文学のテクストは、社会を創造的に破壊する言語実験となります。マラルメやロートレアモンのテクストから彼女が読み取った詩的言語が持つ社会変革力に対する信頼が、彼女の思想の大元です。
静態的な記号論の分析作業から始まって、クリステヴァの理論は、ポスト構造主義的なシステムの変革過程の分析にまでいたります。社会から遺棄されるもの、禁忌の対象となるおぞましきもの、アブジェクシオンこそ文学作品がよってたつところであり、詩的言語によって、革命が始まります。
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