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論理哲学論考 | |
ウィトゲンシュタイン 野矢 茂樹 岩波書店 2003-08-20 Amazonで詳しく見るby G-Tools 関連作品 『論理哲学論考』を読む ウィトゲンシュタイン入門 ウィトゲンシュタインはこう考えた―哲学的思考の全軌跡1912‐1951 無限論の教室 哲学の謎 |
フランス現代思想にとってはメインではないですが、現代哲学における大きな始源の一つ、ヴィトゲンシュタインは前期と後期において思想が異なっています。前期を代表するのは『論理哲学論考』。ヴィトゲンシュタインは『論考』の執筆によって、全ての哲学問題は解決したと思いました。何と言う傲慢というか天才というか、確かに論考はすぱっすぱっと切れる剣のような文体で、都会的に美しい硬質な哲学が展開されます。
後期ヴィトゲンシュタインを代表する作品が『哲学的探求』です。
『哲学的探求』読解 ルートヴィヒ ウィトゲンシュタイン Ludwig Wittgenstein 黒崎 宏 関連作品 『論考』『青色本』読解 論理と言語 言語哲学大全〈4〉真理と意味 by G-Tools |
『探求』の方は、大人の文体で、着々とした歩みで言語ゲームについて語られます。真理というものは人間の外ですでに決定されているものではなく、人間が言語によって語り合うことによって、共通了解として創られて行くという『探求』で表明された考えは、『コミュニケーション的行為の理論』作成時のハーバーマスに多大な影響を与えます。フーコーにとってみれば、複数の人間の語り合いの中で真理が生成される時、権力がどのように働くかが問題になります。
ヴィトゲンシュタインには、人生自体に面白みというか洗練されたかっこよさがあります。評伝として代表的なのが、レイ・モンクの作品です。
ウィトゲンシュタイン〈1〉―天才の責務 | |
レイ モンク Ray Monk 岡田 雅勝 みすず書房 1994-11 |
とにかく生活が極端で、切れ味鋭く、まさしく天才としか表現できないような数奇で魅力的な人生が綴られています。
最近になって、ヴィトゲンシュタイン自身が書いた日記が発表されました。哲学的思考をすすめるなかで、敬虔なクリスチャンだったヴィトゲンシュタインは救いと信仰についての想いを日記に書き記します。ヴィトゲンシュタインは哲学を超えて、人生や言葉遣いそのものに宿る魅力によって、読者を獲得し続けることでしょう。
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