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サリンジャー『大工よ、屋根の梁を高く上げよ シーモアー序章ー』

この記事の最終更新日:2006年6月4日

大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章
大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章J.D. サリンジャー J.D. Salinger 野崎 孝
新潮社 1980-08

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サリンジャーが最後に発表した作品です。彼はこれ以後まとまった作品を発表せず、隠遁生活を送っています。何か書いているのか書いていないのかは、彼の死後でないとわからないでしょう。

ここにおさめられた両小説とも、グラース一家の長兄シーモアについて、次兄の小説家バディが書くという体裁をとっています。グラース一家の7兄弟は全員、ラジオのクイズ番組である『これが神童』に出演しています。クイズ番組ですが、この番組は円卓会議のような体裁をとっており、子どもが社会評論家のように知的な発言をするというものです。

シーモアは妻との休暇旅行中ビストル自殺しています。その模様は短編集『ナインストーリーズ』におさめられた『バナナフィッシュにうってつけの日』におさめられています。

『大工よ、屋根の梁を高く上げよ』は、バディが自身も参加した、シーモアの結婚式の模様を回想する形式となっています。『シーモア ー序章ー』は、小説家であるバディが、シーモアの思想、姿を想起し、描写するという内容になっています。この2編の短編は『ライ麦畑でつかまえて』と同じ香りもしますが、ライ麦よりも圧倒的に深刻です。

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