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ニーチェ『ツァラトゥストラはかく語りき』

この記事の最終更新日:2006年5月28日

ツァラトゥストラ〈1〉
ツァラトゥストラ〈1〉F.W. ニーチェ Friedrich Wilhelm Nietzsche 手塚 富雄

中央公論新社 2002-04

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現代思想の大本として、ニーチェがとらえられます。プラトンのイデア論やキリスト教の救済思想をニヒリズムとして徹底抗戦し、それまでのヨーロッパの諸価値の転倒を試みたニーチェは現代思想、ポストモダンの先駆者でした。ハイデガーはニーチェについて講義することで自己の思索を深めますし、バタイユ、フーコードゥルーズなど多くの思索家がニーチェについての本をしたためています。

ニーチェが説いた力への意志は人間存在の根本原理であり、ヨーロッパをおおうニヒリズム、自己否定の哲学を克服するものです。

プラトンにおいては、我々が接している世界は理想的世界の影にすぎません。キリスト教においても、我々は原罪のうちにすえおかれています。ニーチェは現状を否定するニヒリズムを否定し、我々が接している、仮の、はかないものと呼ばれている世界そのもののすばらしさ、本物らしさを説きます。伝統的価値の転倒とともに、生きていることが力の発現となる、超人の生き方が提唱されます。

ニーチェの思想とナチスとの共振性が時折問題にされます。確かに力への意志を説くニーチェの情熱的思想は、戦争を止めるものではありません。批判するにあたって、まずはニーチェの書き残したものを読むことが必要です。読まずに批判されることが多いですから。





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